絵本・画集「ゆめつくり虫～DOROBACHI STORY～」

この絵本は、2018年10月に行われた「第33回国民文化祭おおいた2018」の大分市リーディング事業「回遊劇場～ひらく・であう・めぐる～」のウォールアート部門にて、大分市相生町にある岩尾ビルという建物の外壁や廊下全体に直接制作した壁画作品が元になり、その絵本バージョンになります。2020年11月に完成。

　主人公のゆめつくり虫は、2013年に由布院駅（大分県）のアートホールという待合所兼展示会場にて、夢と平和をテーマにした物語作品を展示させて頂き、そこで誕生しました。今作は、その続編になります。

　発想のスタートは、国民文化祭という国が主催する大きな文化芸術イベントの壁画部門を担当させて頂くという流れの中で、描く場所として、いくつか建物を紹介され、
建物を実際に目にした時に、「何かの巣に似てるなぁ～」と感じたところからでした。

その後、色々と調べたところ、ドロバチの巣に似ているということが判明し、特徴なども調べる中でエサとしてアオムシを幼虫に与えているということがわかり、偶然にも以前に描いた「ゆめつくり虫」と対比して物語ができるかもしれない…というところから発想を広げ、この作品が生まれました。

　私は、曽祖父を戦争で亡くしているところから「平和」をテーマに、これまで作品を創ってきたのですが、今作を制作した当時は、平和や戦争というものを考える時に、前提として「生きる」ということを考えなくてはならないという思いに至りました。

そこで今回登場する、生死に関わる異なった性質を持つ虫の対比を通じて、
人間を取り巻く自然環境と文明の進歩、そして戦争のことなど、
これからの社会をどうやって生きていくのか？ということをあらためて考えるきっかけになればと思い、制作致しました。

科学が発達しても、まだまだ問題の多い現代社会ですが、
人間の文明の進化と地球環境がうまく調和し、新たな明るい未来が来ることを、
この作品を通じて願っております。
(あとがきより）


大きさ
Ａ4サイズ（210mm×297mm)横

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